祐生出会いの館

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  • 企画展 2022.04.04

「私の新しい旅を作る―旅行案内展」

江戸時代、庶民の間に広まった旅への憧れは、四国八十八か所・西国三十三か所巡礼等霊場巡拝にかこつけた観光旅行に表れています。昭和五十年代まで、この地方の小学校修学旅行の目的地が香川県金刀比羅宮であったことにも、その残影が感じられます。

祐生の生まれた1889年(明治22)、新橋・神戸間の東海道本線が開通しました。1891年(明治24)には東北本線が青森まで、1901年(明治34)には山陽本線が下関まで開通し、山陰本線も1912年(明治45・大正元)には京都から出雲今市(現出雲市駅)まで開通しました。鳥取では盛大な開通式があり、米子や安来では博覧会も開催されました。交通機関の発達によって、名所・旧跡に加え、温泉も魅力ある旅の要素でした。駅弁掛け紙も広報の一翼を担って宣伝し、旅行はさらに発展して今日に至っています。

祐生の生活には旅行などのゆとりはなく、雑誌や全国の趣味人から送られてくる絵葉書から名所・旧跡に思いをはせていました。1919年(大正8)我楽他宗入会以降は、旅行をした会員たちが旅行案内等を送ってくれるようになりました。自治体、鉄道会社、旅館それぞれに観光地を知らせるポスターやパンフレットを作製しており、観光の視野は大きく広がっていきました。祐生のもとにもたらされたこれらの品々は、生活の中で利用された後に新情報と入れ替えられて廃棄されるものですが、当時の世相を振り返る時に貴重な資料となります。

この度、祐生収集物の中から、大正から昭和初期にかけての旅行関係の品々を展示しました。長いコロナ禍で旅行もままならない中、制約から解放されたときに備えて、新しい旅行計画を立てていただければ幸いです。

■展示総数 354点

・観光地等  170点

北海道 1点、青森県 4点、岩手県 1点、宮城県 2点、福島県 2点、栃木県 10点、群馬県 3点、東京都 9点、神奈川県 9点、山梨県 2点、長野県 3点、石川県 1点、富山県 1点、岐阜県 2点、静岡県 11点、愛知県 4点、三重県 6点、滋賀県 3点、京都府 9点、大阪府 5点、兵庫県 9点、奈良県 4点、和歌山県 7点、鳥取県 14点、島根県 12点、広島県 5点、山口県 4点、香川県 3点、愛媛県1点、福岡県 5点、長崎県 4点、熊本県 3点、大分県 8点、宮崎県 1点、鹿児島県 2点

・交通機関発行パンフレット  176点

鉄道 124点、自動車 14点、船舶 33点、ケーブルカー 3点、航空機 2点

・ポスター   7点

・その他    1点

*とっとり県民カレッジ連携講座*

【開催期間】  令和4年4月2日(土)~5月30日(月)

【開催場所】  南部町祐生出会いの館 第4展示室

【開館時間】  9:00~17:00

【休館日】   火曜日 ※5月3日(火・祝)は開館し、5月6日(金)休館

【入館料】   一般:300円(240円)、高校・大学生:200円(160円)、中学生以下無料

※( )は15名以上の団体料金

※身障手帳所持者と介護者1名無料

【お問合せ】

「情熱と知恵で集めた大正・昭和のコレクション」

南部町祐生出会いの館 (緑水湖畔)

〒683-0343 鳥取県西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX:0859-66-4755

e-mail:yusei_museum@yahoo.co.jp

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