- 企画展 2025.01.27
「百年の時を経てよみがえる掛け軸展」
書画を巻軸の形式に仕立て吊り下げて見る掛け軸の形式は中国唐代末に成立し、日本輸入模写されました。日本での利用は中世以後特に、書院・茶席などで愛好され、日本独自の発展をとげて今日に至っています。当館で所蔵する掛け軸は130点で、祐生収集物の中では最も少なく、祈りや願いの対象が多くなっています。当時はどこにでも存在した物でしょうが、今日では目にすることもない貴重な資料となっています。
祐生は、生活の中で使用され、すすけたり破損したりしているものをもらい受けて収蔵しました。とはいえ、祐生は全国の趣味人と親密な交流をしたいわゆる「目利き」です。名僧の書や歌舞伎役者の隈、仏像などの貴重なものも存在します。
また、祐生の世話で美術学校に学んだ法勝寺出身の画家持田卓二氏を介して1929年(昭和4)入手した麻生豊署名入り直筆「ノンキナトウサン」もあります。「ノンキナトウサン」とは、関東大震災後、社会を明るくしたい意図で報知新聞に連載された人気の漫画で、その後は読売新聞にも掲載されました。当館では板祐生に雰囲気が似ていることから「ノンキナトウサン板先生」と伝えられています。
当館では、これら資料を毎年順次表装し直し、補修に努めており、この度の展示はこれまで修復してきた掛け軸を披露するものです。リニューアルされた掛け軸から、百年前の人々の願いや嗜好(しこう)に思いを馳せていただければ幸いです。
展示総数 41点
※とっとり県民カレッジ連携講座
【開催場所】南部町 祐生出会いの館
【開館時間】9:00~17:00
【休館日】火曜日 (2月11日(火)は開館し12日(水)に休館します)
【入館料】一般:300円(240円) 高校・大学生:200円(160円) 中学生以下無料
※( )は15名以上の団体料金
※身障手帳所持者と介護者1名無料
【お問合せ】
情熱と知恵で集めた大正・昭和のコレクション
南部町 祐生出会いの館(緑水湖畔)
〒683-0343 鳥取県南部町下中谷1008
TEL/FAX 0859-66-4755
E-mail yusei_museum@yahoo.co.jp
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