- 企画展 2022.01.31
「神社お札・朱印・真景図展」
神社・仏閣は古から人々の心のよりどころでした。江戸時代以降、街道が整備されるのに伴い、観光を兼ねて由緒ある寺社に参拝する習慣が始まりました。
神社の発行する護符(お札)は、次の年の左義長(どんど焼き)で焼却されるものですが、祐生の交流した趣味人たちは、これを収集の対象としていました。祐生にお札収集を教えてくれたのは、1917年(大正6)に大阪朝日新聞のコラムに掲載された趣味人たちや、記者の青贒肇(あおかつなが)氏でした。出雲大社や名和神社、船上神社のお札を求めに応じて送りながら、祐生も啓発されて、各神社に真景図やお札送付を依頼するようになりました。奈良女子高等師範学校教授の水木要太郎氏からは、春日大社のお札が到来し、本格的な収集へと発展しました。祐生は高名な神社参拝など縁のない日常生活にあって、全国の神社のお札、朱印、真景図から、福徳御利益の到来を楽しんでいたことと思われます。
展示物で見ると、地理的条件を反映して鳥取県・島根県のものが多いですが、金刀比羅(ことひら)宮も少なくありません。金刀比羅宮のものは、江戸時代と思われる「金刀比羅大権現」のものから、明治時代の年号の入ったものもあります。参拝した人たちがお土産に持ち帰り、残していたものを祐生が恵贈を受けたと思われます。江戸時代から当地方でも参詣者の多かったことが偲ばれます。絵図には、「日本一社」であるはずの金刀比羅宮であるのに、全国に紛らわしい神社名やご神体が出現し、お札まで発行されていることに抗議する内容が書かれています。金毘羅(こんぴら)信仰は全国に広がっていました。
昨年の寺院に続き、この度は神社資料を342点展示しました。これらの資料からコロナ禍でままならない神社参詣に思いを馳せていただくとともに、収集家板祐生を再発見していただければ幸いです。
■展示総数 342点
・お札・朱印 318点
・真景図 24点
*とっとり県民カレッジ連携講座
【開催期間】 令和4年2月2日(水)~3月28日(月)
【開催場所】 南部町祐生出会いの館 第4展示室
【開館時間】 9:00~17:00
【休館日】 火曜日
【入館料】 一般:300円(240円) 高校・大学生:200円(160円) 中学生以下無料
※( )は15名以上の団体料金
※身障手帳所持者と介護者1名無料
【お問合せ】
情熱と知恵で集めた大正・昭和のコレクション
南部町祐生出会いの館(緑水湖畔)
〒683-0343 鳥取県西伯郡南部町下中谷1008
TEL/FAX:0859-66-4755
e-mail:yusei_museum@yahoo.co.jp
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