- 企画展 2025.07.07
郷土を愛した画家ー八橋誠滋遺作展
八橋誠滋氏は伯耆町二部地区出身です。師範学校在学中に油彩を学びました。1943年(昭和18)9月卒業と同時に山上国民学校訓導となりますが、翌年3月教育召集で応召し、中部第47部隊に入隊しました。ここで感染病のため召集解除となり、生き残りました。9か月の療養生活を経て、1945年(昭和20)3月溝口国民学校訓導として復帰しました。
戦後精神的空白で茫然たる日々の中、生きている証を造形化した作品を尊重している、という自由美術協会の趣旨に共感して作品制作に向かうようになりました。作品を丸めて携え夜行列車で上京し、知己を得た寺田政明氏宅で額装して審査会場に持ち込みました。27歳の時に初入選しましたが、上野の美術館で展示されている自らの作品を見て、あまりの惨めさに衝撃を受け、すごすごと帰郷すること繰り返しであったといいます。寺田氏は、「大切なことは続けることだ」と励まし、この言葉を胸に描き続けました。
八橋氏の作品は、写実的な表現はありません。自らの内面に凝縮されている原体験をもとに、ふるさとの情景や自然の姿、郷土を愛する抒情や情念、心の葛藤などの心象風景を独自の感性で造形し、背景には鮮やかな青空を描いて浮かび上がらせています。作品は、見る者の心に強烈な印象を放って迫り、勇気がわいてきます。
画家は絵の中に自分の人生を語ろうとし、その語り方はいろいろあります。八橋流の表現から、鑑賞者ご自身の人生を重ねて、想像いただければ幸いです。
展示総数 38点
※とっとり県民カレッジ連携講座
【開催場所】南部町 祐生出会いの館
【開館時間】9:00~17:00
【休館日】火曜日
【入館料】一般:300円(240円) 高校・大学生:200円(160円) 中学生以下無料
※( )は15名以上の団体料金
※身障手帳所持者と介護者1名無料
【お問合せ】
情熱と知恵で集めた大正・昭和のコレクション
南部町 祐生出会いの館(緑水湖畔)
〒683-0343 鳥取県南部町下中谷1008
TEL/FAX 0859-66-4755
E-mail yusei_museum@yahoo.co.jp
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