祐生出会いの館

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  • 企画展 2022.12.14

「趣味人たちのお正月展Ⅰー宝船と年賀状」

祐生は若いころから都会の呉服店の発行するお客様情報誌を送ってもらい、表紙を飾る著名な画家の作品を模写して楽しんでいました。

1917年(大正6)、大阪朝日新聞のコラム「珍道楽」に掲載された三十人の人たちに問いかけたところから、趣味人との交流が開始されました。祐生の熱意は東京で結成されたばかりの「我楽他宗」の人たちの知るところとなり、1919年(大正8)主宰する三田林蔵の感化を受けて三十三人の一員として本格的な活動が開始されました。1924年(大正13)4月には、会員の鈴木祥湖、田中政秋が中心となって「東都肉筆納札会」が結成され、毎月テーマに沿った余韻のある作品を三十枚送り続け、1927年(昭和2)まで続きました。しだいに、趣味人たちの関心は「年賀状」や「暑中伺い」に向けられ、同年、松田昇太郎、大村喜久次が中心となって版画作品を交換する「好刻会」が始められました。当館に残された会員名簿は1934年(昭和9)の年賀状案内が最後です。翌1935年(昭和10)には武井武夫の主宰する年賀状交換会「榛の会(当初は版交の会)」が開始されました。この会は趣味人たちとは異なり、版画作家50人で構成されていましたが、祐生にも誘いがありました。祐生は版画作家ではないという理由で断りましたが、翌年再度熱意を込めた便りを受けて第二回から参加し1956年(昭和31)最終回の作品を送って他界しました。これら一連の交流を通して、祐生は趣味人と腕を競い、最終的には版画作家の影響を受けながら作品は芸術の域へと昇華しました。

このたび、祐生と交流のあった人たちの年賀状と宝船を244点展示しました。いずれもこれまで展示する機会のなかったものです。祐生のもとに寄せられたこれらの作品には正月を楽しむ気持ちを相手にどう伝えるか、心優しい人柄がにじみ出ている作品ばかりです。この展示から、正月をさらに楽しんでいただければ幸いです。

■展示総数  247点

・宝船  102点

・年賀状 142点

・その他  3点

*とっとり県民カレッジ連携講座*

【開催期間】  令和4年12月10日(土)~令和5年1月23日(月)

【開催場所】  南部町祐生出会いの館 第4展示室

【開館時間】  9:00~17:00

【休館日】   毎週火曜日、年末年始(12月29日~1月4日)

【入館料】   一般:300円(240円) 高校・大学生:200円(160円) 中学生以下無料

※( )は15名以上の団体料金

※身障手帳所持者と介護者1名無料

【お問合せ】

情熱と知恵で集めた大正・昭和のコレクション

南部町祐生出会いの館(緑水湖畔)

〒683-0343 鳥取県西伯郡南部町下中谷1008

TEL/FAX:0859-66-4755

E-mail:yusei_museum@yahoo.co.jp

 

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