- 企画展 2022.01.05
祐生秘蔵ポスター展~ビールと船舶を中心に~
祐生ポスター収集の記録は、1916年(大正5)「神戸東洋汽船株式会社より絵ビラを小包にして送付し来る」とあるのが最初です。大正6年に入ると、白木屋、三越、高島屋、松坂屋、松屋、大丸等の著名な呉服屋に依頼するだけでなく、船舶、燐寸、箪笥店などにも送付を依頼しています。
この時代の印刷技法は石版と呼ばれるもので、画家の描く原画をもとに多くの手間をかけ、職人技によって製作されていました。絵柄は商品よりも、鑑賞にたえうる芸術性が求められており、発注者のイメージづくりが優先されています。また、製作した印刷業者にも自負があり、今日では見られない社名が表記されています。絵を描くことが好きで、毎月都会の呉服屋が発行する顧客への催事情報誌の表紙絵を描き写して楽しんでいた祐生にとっては、あこがれの存在であったと思われます。
技術革新によって大量印刷が可能になると、商品が優先され、せっかくの優美な画面が台無しになります。このため、ポスターに対する期待は裏切られ、呉服屋ポスターは昭和に入ると収集の対象ではなくなっています。祐生コレクションからは、ポスターの歴史も学ぶことができます。
この度、祐生収集のポスター1400枚の中から、ビール、船舶を中心に36点展示しました。田舎にいて広い世界を夢見た、一青年の地道な努力によって積み重ねられたことに思いを巡らせていただくと共に、百年の時を経て、ポスターの原点を感じていただければ幸いです。
■展示総数 53点
・船舶ポスター 19点
東洋汽船、アンカーライン、アンカー・ドナルドソンライン、リードライン、北日本汽船、大阪商船、日本郵船
・ビールポスター 17点
キリンビール、アサヒビール、大日本麦酒、カブトビール、サクラビール、日英醸造、日本麦酒鉱泉
・宝船 17点
*とっとり県民カレッジ連携講座*
【開催期間】 令和4年1月5日(水)~2月7日(月)
【開催場所】 祐生出会いの館 第5展示室
【開館時間】 9:00~17:00
【休館日】 毎週火曜日
【入館料】 一般:300円(240円)、高校・大学生:200円(160円)、中学生以下無料
※( )は15名以上の団体料金
※身障手帳所持者と介護者1名無料
【お問合せ】
情熱と知恵で集めた大正・昭和のコレクション
南部町祐生出会いの館 (緑水湖畔)
〒683-0343 鳥取県西伯郡南部町下中谷1008
TEL/FAX:0859-66-4755
E-mail:yusei_museum@yahoo.co.jp
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